Amazonのショッピングカートって、どんな仕組みなんですか?
Yahooショッピング・楽天市場などのネットショップで「カート」と言えば、
ユーザーが購入する予定の商品を一時的に入れておく
いわゆる「カゴ」を意味することが一般的。
ところが、Amazonの『ショッピングカート(カート獲得)』は、それとは意味合いチョット違います。
Amazon物販において、ショッピングカートの知識は最優先で習得すべき、とても重要なノウハウです。
- Amazonショッピングカートの基礎知識
- ショッピングカートを獲得するための条件
- ショッピングカート獲得率の確認方法
- ショッピングカート獲得率は何%あればOK?
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抑えておくべき2つのポイント(Amazonのビジネスモデルについて)
ショッピングカートの仕組みを説明する前に、まずはAmazonのビジネスモデルについて軽く説明しておきます。
Amazonのビジネスモデルについて
楽天やYahoo!ショッピングは、ECモール上に『自分のショップを出店』する、テナント型のビジネスモデルです。
全く同じ商品でも、それぞれのショップが〝自社独自の商品ページ〟で販売しているため、検索結果に同一商品が多数表示されてしまう。※この中から安くてポイントが沢山つく商品を買おう、って感じですね。
それに対してAmazonは、各企業が『商品を出品する』形式の、マーケットプレイス型のビジネスモデルです。
楽天やYahooショッピングと異なり『1つの商品ページを全セラーで共有して販売する』というシステム ※商品ページを乱立させず『同じ商品は全員同じ商品ページで販売せよ』というのがAmazonのルール。
1商品につき1商品ページの構成となり、
同じ商品を出品する場合は、1つの商品ページを全セラーで相乗り出品するのが基本です。
相乗り出品(相乗り販売)とは
前述した通り、Amazonでは『同じ商品は1つの商品ページに出品すべし』というのが基本ルールです。
この1つの商品ページを全セラーでシェアして販売することを『相乗り出品(相乗り販売)』と呼びます。
そのため〝ニンテンドースイッチ〟などの人気商品は『出品者数が100名越え』と沢山のセラーが群がっているのが日常茶飯事です。
Amazonの『ショッピングカート』について
では、前提となる知識を踏まえたうえで、Amazonのショッピングカートについて説明していきます。
前述した通り、Amazonは基本的に『1ページに1商品』が掲載されています。で、そのページは一般的に『カタログ』と呼ばれます。
Amazonのルール上『同一の商品は』『同一のカタログに出品』しなければいけないので
1つのカタログに複数のセラーが競合する(相乗り販売)というのが基本スタイル。
仮に出品者が100名でも200名でも1000名でも。1つのカタログにワラワラと群がるのがフツーの状態です。
では、出品者が100名も200名もいる中で『自分が出品した商品ってどうすれば売れるんだろう?』という疑問を解消するのが、Amazonのショッピングカートの存在です。
例として、大人気商品〝ニンテンドースイッチ〟のAmazon商品ページを見てみましょう。
Amazonで買い物をする場合、
- 赤枠の『カートに入れる』(もしくは『今すぐ購入』)をクリックして
- 商品をカートに入れた後、
- 発送先住所やクレカ情報を入力して決済する
この流れで注文するのが一般的ですよね?
では『カートに入れる』ボタンをクリックした時、どの販売者の商品を購入することになるかというと…
赤枠の箇所に販売元として1名だけ店舗名が表示されていますね。カートに入れるボタンをクリックしたときは、ここに表示されている販売者の商品を購入することになります。
ここに自店舗の名前が表示されていて、あなたの商品が購入される状態のとき『Amazonのショッピングカートを取得している』ことになります。
ちなみに、下記の赤枠エリアを展開すると「カートボックスを取れていない」その他の出品者からも商品を購入できます。
ですが、ショッピングカートを取れていない出品者から商品を購入するのは余計な操作を伴うため、ユーザーにとっては『とてもメンドクサい』ワケです。
というより、そんな複雑な仕組みなんて気にせず「カートに入れる」をクリックして買い物をする方が大半です(私もそうです)
つまり。結果としてショッピングカートを取得している出品者から商品が売れ続ける、ということになります。
ショッピングカートを獲得するための条件
そんな理由から出品者としては『カートボックス』の獲得を目指すわけですが。
では、どうすればカートボックスを獲得できるのか?
について、Amazonが公式に公開している情報があります。それがコチラ
- 競争力のある価格を設定する
- より早くお届けできるオプションや配送無料を提供する
- 優れたカスタマーサポートを提供する
- 在庫を切らさない
カートボックス獲得の条件① 競争力のある価格を設定する
『競争力のある価格』って言われても、いまいちピンときませんよね?(なんとなく、政治家的な言い回しっぽい)
ザックリ説明すると、競合セラーの中で『妥当な価格である』ことになるのですが、競争力といっても『極端に安すぎる価格』だと、カートボックスを獲得できないケースもあります。
1万円⇒5千円など、極端に値下げをしても意味ないです。
なので、出品時において『適正な価格』を見極めることが重要になりますが、基本的に以下2つのパターンを把握しておけばOKです。
Prime出品者がカートボックスを取得している場合
このケースの場合は、Prime出品者と同じ価格に設定すれば問題ありません。
※Prime出品者とは?
価格に〝Primeマーク〟が表示されている出品者のこと。FBAを利用していると自動的にPrimeマークが表示されます。
自己発送の場合でも、Amazonが定めた配送品質を満たす『マケプレプライム』を利用すると、Primeマークを表示されることができます。
自己出品者がカートボックスを取得している場合
自己出品とは、FBAを利用せずに顧客への商品発送を自社で行っている出品のことです。
※自己出品者とは
「販売価格+配送料」で価格が表記されている出品者のこと
自己出品に対してFBA出品は優遇されるので「販売価格+配送料の合計額に10%-20%程度を上乗せして価格を設定」してもカートを取れることが多いです。
■ なぜPrime出品者の価格と同じにするのか?
カート取得の条件が『競争力のある価格』であるなら
Prime出品者の最低価格より〝1円だけ下げて〟出品すればよいのでは?
と思いますよね?
確かにその時点のカート価格よりも低い価格に設定すれば〝一時的には〟カートボックスを獲得できるかもしれません。
では、カートを奪われた相手はどう思うでしょうか?もしかすると、さらに1円だけ価格を下げてカートボックスを取り返そうとしてくるかもしれません。
- 自分が1円だけ価格を下げる
- 他のセラーがまた1円だけ価格を下げる
- それを見た他のセラーがまた1円だけ価格を….
という感じで、安易な値下げは過度な価格競争の引き金を引くことになりかねない訳です。
ちなみに、価格変更作業は『専用ツールを使って自動的に行う』ことが一般的なので、値下げ競争も24時間/自動で行われてしまいます..
『ある程度適正な価格』で『Prime出品をしているなら』、カートは順番に回ってきます。
余計な摩擦を発生させないよう『Prime出品者の最安値と同じ価格』に設定しておきましょう。
カートボックス獲得の条件② より早くお届けできるオプションや配送無料を提供する
文字とおり『早く安く届ける』ことで、カートボックスを獲得しやすくなります。※自己発送よりもFBAの方が獲得しやすいのは、このためですね。
カートボックス獲得の条件③ 優れたカスタマーサポートを提供する
ここも、チョットふわっとした書き方ですね。
FBAを利用することで、受注・梱包・発送・返品、返金などのカスタマーサービスは全てAmazonが代行してくれるため、特に気にする必要はありませんが、
「複数の方法で評価」され「他の指標も評価の際に考慮」されるという説明があります。
知的財産権の侵害・商標権の侵害・商品の苦情など『クレームを受けないようなアカウント運営』が求められていることは容易に想像がつきます。
他に、こちらから積極的に評価を上げられる項目は『購入者からの評価』です(商品のレビューではなく出品者の評価)
評価についても明確な説明はありませんが、フツーに考えて高評価が多いセラーの方が優遇されやすいのは当然。
基本的に、新品の商品を数多く売るだけで「購入者からの高評価」は集まりますので、とにかく販売実績を積むことが重要ですね。
カートボックス獲得の条件④ 在庫を切らさない
『在庫を切らさない』というよりも『在庫を沢山持っているセラーが優遇される』というイメージです。
在庫を多数持っていた方がカートを獲得しやすいのは間違いないですが、ここはあくまでも〝努力目標〟程度に考えておけばOKです。
在庫が1個や2個の少数でも、カートはしっかり獲得できるので、あまり心配しすぎなくても大丈夫です。
ショッピングカート獲得率の確認方法
自分が取り扱っている商品の『カート取得率』はセラーセントラルからいつでも確認できるので、現状把握に役立てましょう。
表示されたレポートから「ショッピングカートボックスの割合」を確認できます。
カートボックス獲得率は何%あればOK?
結論を言ってしまうと『カートを独占する必要はありません』
つまり『100%である必要はない』です。
他の出品者が複数いれば、相対的にカート獲得率が下がるのは当然ですし、ニンテンドースイッチのような人気商品だと『出品者100名越え』も珍しくない。
出品者が多数群がっている状況で『カート獲得率 80%-100%』など高すぎる数値を求める必要は全くないですし、そもそも現実的に無理です。
『0%』よりも上の数値になっていれば〝どこかのタイミングでカートは取れている〟ことになるので、待っていればそのうち売れます。
ただ『カートの取得率』が『0%』という場合は『全くカートが取れていない=いつまでたっても売れない』状態なので…価格の見直しなどを行い取得率の改善を試みましょう。
まとめ
ということで、Amazonショッピングカートの仕組みについてまとめてみました。
とりあえず『FBAを使って出品』を出品すれば、そこそこカートを獲得できて、それなりに商品は売れていきます。
ただ『商品が全く売れない..』『売り上げが急に落ちてしまった..』という時は、
- 適正な価格設定(Prime出品者の最安値に合わせる)
- FBAの利用(Primeマークを付ける)
- 規約の順守(クレームを受けないショップ運営)
- 購入者からの評価(ショップレビューを増やす)
- 在庫の管理(在庫を切らさない)
上記5つのポイントを実施して、獲得率向上を狙ってみましょう。