副業くんこれからせどりを始めたいんですが、古物商の許可って絶対に必要ですか? 許可なしで売ると逮捕されるって聞いて、ちょっと怖くて…。
せどりを始めるとき、だいたいの人がここで一度止まります。「古物商って何?」「自分は要るの?」って。
私は古物商の許可とずっと付き合ってきました。その目線で、どこからが必要なのかを整理しますね。
中古品(一度だれかの手に渡った物)を、売るために仕入れるなら、1個目から古物商の許可が必要です。
自分で使っていた物や、もらった物を売るだけなら要りません。新品をお店やメーカーから仕入れる場合も、原則いりません。
許可は警察署で申請して、手数料は19,000円。審査はだいたい40日くらいかかります。
この記事の法律・手数料は、2026年10月7日に法令(e-Gov)と警察の公式サイトで確認しています。
せどりに古物商の許可は必要?分かれ目は「中古を仕入れるかどうか」
ここ、ややこしく見えて、実は線引きはシンプルです。ポイントは「売る物が中古か」「売るために仕入れたか」の2つだけ。
売るために中古品を仕入れて売る、これをくり返すなら許可が必要になります。
| ケース | 古物商の許可 |
|---|---|
| 中古品をリサイクルショップやメルカリで仕入れて売る | 必要 |
| 未使用品・未開封品を個人やフリマから仕入れて売る | 必要 |
| 新品をお店・メーカー・ネットショップから仕入れて売る | 原則いらない |
| 自分で使っていた物、使うつもりで買った物を売る | いらない |
| 人からタダでもらった物を売る | いらない |
| 自分で海外に行って買ってきた物を売る | いらない |
警察の案内では、自分で使っていた物や、自分で使うために買ったけど使わなかった物を売るだけなら、許可は不要とされています。
ただし「自分で使う」と言いながら、実は転売目的で買い集めていた、というのはアウト。中身で判断されます。
未使用品・未開封品も「中古」あつかい
ここ、いちばん勘違いが多いところです。未開封でも、一度でも消費者の手に渡った物は「古物」になります。
つまり、メルカリやヤフオクで個人から買った新品同様の商品は、法律上は中古品。これを仕入れて売るなら許可が要ります。
逆に、家電量販店やメーカーの直販で買った新品は、だれの手にも渡っていないので古物にはなりません。
タダで回収した物を売るときは、別の許可に注意
家の不用品やもらい物のように、お金を払わずに手に入れた物を売るなら古物商の許可はいりません。
ただ、不用品回収をしてお金をもらいながら物を集める場合は、廃棄物の収集運搬の許可が問題になります。かなり特殊なケースなので、普通のせどりなら気にしなくて大丈夫です。



「迷ったら取っておく」でOKです。1回取れば更新もいらないので、モヤモヤしながら仕入れるよりずっと気がラクです。
ヤフオクなどのネットオークション・フリマで売るときも、古物商の許可はいる?
考え方はお店で売るときと同じで、中古品を仕入れて売るなら、オークションやフリマでも許可がいります。売る場所ではなく、何を仕入れて売るかで決まります。
自分で使っていた物をオークションで売るだけなら、許可はいりません。上の表の分け方が、そのまま当てはまります。
ちなみに、警察の案内に出てくる「古物競りあっせん業」は、オークションのサイトを運営する会社の届出のことです。出品する人の許可の話ではないので、混ぜないようにしましょう。
ヤフオクやフリマで売るだけなら、自分のURLの届出は話に出てきません。古物商が自分のホームページ(ネットショップ)を開いて古物を売るときは、そのURLを公安委員会に届け出ます。鳥取県の案内では、開設から2週間以内とされています。
許可なしで中古を売り続けるとどうなる?罰則はけっこう重い
「バレなきゃ大丈夫でしょ」って思う人、正直いますよね。でも罰則を見ると、ちょっと笑えない重さです。
許可を取らずに古物営業をすると、3年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金の対象です(古物営業法第31条)
「拘禁刑」は、2025年6月1日から懲役と禁錮が1つになった刑罰の呼び方です。昔の記事で「懲役」と書いてあるのは、これのことですね。
「どれくらいなら許されるか」は自分では決められない
営業にあたるかどうかは、取引の回数や量、仕入れ方などから警察が判断します。副業の小さな規模でも、仕入れて売るのをくり返していれば営業と見られる可能性があります。
メルカリで売る場合の「バレるの?」という話は、こちらでくわしく書いています。


古物商の許可の13品目:扱う物だけ選べばOK
申請のときは、扱う品目を選びます。全部で13あるので、まずは自分が売る予定の物がどれに入るかを見てみてください。
| 美術品類 | 絵画、書、彫刻、工芸品など |
| 衣類 | 洋服、着物、布団など |
| 時計・宝飾品類 | 時計、メガネ、貴金属、アクセサリーなど |
| 自動車 | 自動車、カーナビやタイヤなどの部品 |
| 自動二輪車及び原動機付自転車 | バイク、原付とその部品 |
| 自転車類 | 自転車とその部品 |
| 写真機類 | カメラ、レンズ、望遠鏡など |
| 事務機器類 | パソコン、プリンター、コピー機など |
| 機械工具類 | 家電、ゲーム機、電動工具など |
| 道具類 | 家具、楽器、ゲームソフト、CD・DVDなど |
| 皮革・ゴム製品類 | カバン、靴、財布など |
| 書籍 | 本、雑誌、マンガなど |
| 金券類 | 商品券、乗車券、切手など |
品目はあとから追加もできますが、届け出が必要です。最初に、これから扱いそうな物まで含めて選んでおくとラクですよ。
ちなみに中古パソコンは「事務機器類」です。パソコン転売の場合の話は、こちらにまとめています。


古物商の許可の取り方:自分でやれば手数料19,000円だけ
行政書士さんに頼む方法もありますが、そのぶん費用がかかります。書類はそこまで多くないので、自分でやるのが一番安上がりです。
破産して復権していない人、住所が定まらない人など、許可を受けられない条件が法律で決まっています。誓約書でこれに当てはまらないことを約束します。
個人と法人で必要な書類が変わります。法人化の予定がなければ、個人で申請すれば大丈夫です。
上の13品目から、扱う予定の物を選びます。
申請先は、主たる営業所の場所を管轄する警察署の防犯係です。流れが署ごとに少しちがうので、先に電話で聞いておくとスムーズです。
申請書は警察署でもらうか、都道府県警のサイトからダウンロードできます。手数料19,000円を納めて提出します。
個人で申請するときの主な書類は、こんな感じです。
| 許可申請書 | 警察署か公式サイトで入手 |
| 略歴書 | 最近5年の経歴を書く |
| 住民票の写し | 本籍が載っているもの |
| 誓約書 | 許可を受けられない条件に当てはまらないこと |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村が出すもの(運転免許証ではない) |
| URLの使用権限の資料 | 自分のネットショップなどで売る場合 |
「身分証明書」は運転免許証のことじゃないので注意です。本籍地の役所で出してもらう書類です。ここ、わりとみんな一度つまずきます(笑)
申請前に知っておきたい3つの注意点
書類さえそろえば難しくありませんが、あとから「えっ」となりやすいポイントが3つあります。
1. 許可が出るまで40日くらいかかる
警察署で受理されてから、許可が出るまでの目安は40日ほどです(土日祝は数えない都道府県が多いです)
書類集めの時間も入れると、2か月くらいは見ておくと安心です。仕入れを始めたい時期から逆算して動いてくださいね。
2. 賃貸だと営業所にできないことがある
営業所は、自分が使う権限のある場所でないといけません。賃貸の場合、契約で事業に使えないことがあります。
その場合は、大家さんや管理会社に、古物商の営業所として使う承諾をもらう必要が出てきます。
3. 個人の許可は法人に引き継げない
個人で許可を取ったあとに法人を作っても、その許可は法人に移せません。個人と法人は別あつかいです。
法人で古物を扱うなら、あらためて法人として申請します。法人化の予定が近い人は、タイミングを考えておくといいですよ。
許可を取ったあとに守ること:取って終わりじゃないんです
ここ、意外と知られていませんが、許可は「取ったら終わり」ではありません。古物商には、仕事のルールがいくつかあります。
- 買い取るときは、相手の住所・氏名などを確かめる(相手方の確認)
- 仕入れた物の品目や数、相手などを帳簿に記録して保存する
- 盗品の疑いがある物は、すぐ警察に知らせる
- 自分のネットショップで売るなら、氏名や許可番号などをサイトに表示する
- 営業所に許可証を置き、標識をかかげる
せどりでとくに大事なのは、仕入れの記録をきちんと残しておくことです。レシートや購入履歴を、商品とひもづけて保存しておくと安心ですよ。
くわしい内容は、営業所を管轄する警察署や、都道府県警のサイトで確認してください。取ったあとに聞きに行っても、ちゃんと教えてもらえます。
古物商の許可でよくある質問
最後に、よく聞かれる質問をまとめておきますね。
いちばん多いのは「新品なら要らないよね?」という質問です。答えはお店から買った新品なら原則不要、個人から買った物は未開封でも必要です。
- 営業所が複数あると、そのたびに許可が要る?
-
2020年4月の法改正で、主たる営業所を管轄する警察署で1回許可を取ればよくなりました。営業所を増やしたときは届け出をします。
- 新品の転売にも古物商は要る?
-
お店やメーカーから直接買った新品なら、原則いりません。ただし個人から買った物は未開封でも古物です。不安なら取っておくのがおすすめです。
- 許可の更新は必要?
-
有効期限はないので更新はいりません。ただ、品目の追加や住所の変更は届け出が必要です。やめるときは許可証を返します。
- 許可を取ったのに、しばらく営業しなかったら?
-
許可を受けてから6か月以内に営業を始めない、または6か月以上休んでいる場合は、許可を取り消されることがあります。
- 海外で買った物を日本で売るときは?
-
自分で海外に行って買ってきた物を売るだけなら、許可は不要と警察は案内しています。国内の業者が輸入した物を仕入れる場合は必要です。迷ったら管轄の警察署に聞いてください。
まとめ
古物商の許可って、思ったより身近な話です。最後に、ポイントをおさらいしておきます。
- 中古品を、売るために仕入れて売るなら1個目から許可が必要
- 未使用品・未開封品でも、個人から買った物は古物あつかい
- 無許可の古物営業は3年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金
- 申請先は警察署、手数料19,000円、許可まで40日ほど
- 賃貸の営業所、法人への引き継ぎ不可、6か月休業に注意
せどりで違法になるケースをまとめて知りたい人は、こちらも読んでみてください。














