副業くんドラッグストアの薬がセールで安いとき、転売したら儲かりそうなんですけど…。薬の転売って違法なんですか?
ドラッグストアのせどりは人気ですが、ここは一番気をつけてほしいところです。知らずにやって、あとで青ざめる人が本当にいます。
私も、「これは売っていいの?」という線引きには何度も悩んできました。薬まわりのルールを、仕入れる側の目線でまとめます。
医薬品は、許可なく「業として」売ると薬機法違反です。せどりで医薬品を売るのはNGです。
処方薬はもちろん、ドラッグストアの市販薬(第1類〜第3類医薬品)もダメ。海外から個人輸入した薬・化粧品・サプリを売るのも違反のおそれがあります。
せどりで扱えるのは、医薬部外品・国内正規品の化粧品・健康食品(医薬品成分を含まないもの)などです。
この記事の法律とルールは、2026年10月7日にe-Gov法令検索・厚生労働省・メルカリ公式ヘルプで確認しています。
薬の転売は違法?⇒ 許可なく医薬品を売ると薬機法違反
結論から言うと、医薬品の転売はアウトです。根拠になるのは「医薬品医療機器等法(薬機法)」という法律です。
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。
※医薬品医療機器等法 第24条第1項より引用
ポイントは、売るだけじゃなく「売るために置いておく(貯蔵・陳列)」こともダメだということ。仕入れて家に置いているだけでも、売る目的なら対象になりえます。
違反したときの罰則は、法律の第84条で決まっています。
| 違反の内容 | 許可なく、業として医薬品を販売・授与・貯蔵・陳列した(第24条第1項) |
| 罰則 | 3年以下の拘禁刑、もしくは300万円以下の罰金、またはその両方(第84条) |
医薬品の販売業の許可は、ドラッグストアや薬局などが取るものです。せどりの個人が気軽に取れるものではありません。
やってはいけない薬の転売|3つのパターン
ここからは、せどりでやりがちなNGのパターンを見ていきますね。どれも「ちょっとくらいなら…」でやってしまいがちです。
- 病院で処方された薬を売る
- ドラッグストアで買った医薬品を売る
- 海外から輸入した医薬品を売る
病院で処方された薬を売る
病院でもらった薬が余った、なんてことはよくありますよね。でも、処方薬(医療用医薬品)をフリマアプリなどで売るのはNGです。
処方薬をフリマアプリやネットオークションで売って逮捕された、というニュースは何度も報道されています。湿布薬・塗り薬・漢方薬でも、処方されたものは医薬品です。
お小遣い稼ぎの感覚で出品するのが一番危ないです。余った処方薬は売らずに、薬局や病院に相談してください。
ドラッグストアで買った医薬品を売る
ドラッグストアのセール品は安く買えるので、せどりの仕入れ先として魅力的に見えますよね。でも、医薬品は買った場所に関係なく、許可なく売ればアウトです。
- 要指導医薬品
- 第1類医薬品・第2類医薬品(指定第2類を含む)・第3類医薬品
- 体外診断用医薬品(妊娠検査薬など)
頭痛薬・かぜ薬・湿布・目薬・漢方薬なども、医薬品の表示があれば同じです。「安かったから」はまったく理由になりません。
海外から輸入した医薬品を売る
海外の薬は、日本で承認されていないものも多いです。個人で使う分を輸入することは認められていますが、それを人に売るのはNGです。
厚生労働省のページでも、個人輸入した医薬品等を他人に販売・授与すると、薬機法に違反するおそれがあると書かれています。



「海外で普通に売ってる薬だから大丈夫でしょ」は通用しません。日本の法律で見られます。
薬以外にも注意|化粧品・サプリ・エタノール
薬機法は、薬だけを決めている法律ではありません。ドラッグストアで「医薬品じゃないから大丈夫」と思って仕入れたものが、実はNGだった、ということもあります。
手作りの化粧品、小分け・詰め替えの化粧品
手作りの石けん・クリーム・美容液などを売るには、化粧品の製造販売業・製造業の許可が必要です。許可なく作って売るのは違反になります。
意外と多いのが使わなくなった化粧水を、100円ショップのボトルに小分けして売るパターン。小分けや詰め替えは「製造」にあたるので、これもNGです。
個人輸入した化粧品・サプリ
海外旅行で買ったコスメや、海外通販で買ったサプリをフリマアプリで売るのも要注意です。メルカリでは、個人で輸入した化粧品・医薬部外品、海外並行輸入のサプリの出品を禁止しています。
お土産として買ったものでも、扱いは個人輸入と同じです。国内で売られている海外製のサプリでも、医薬品の成分が入っているものは売れません。
AliExpressなど海外通販の商品を売るときのルールは、こちらで詳しく書いています。


アルコール・エタノール
消毒用のエタノールは、商品によって扱いが違うのでややこしいです。パッケージの裏の表示で見分けてください。
| パッケージの表示 | 売れる? |
|---|---|
| 「医薬品」(第3類医薬品など) | 医薬品の販売業の許可が必要。せどりはNG |
| 「医薬部外品」 | 販売に許可は不要 |
| 医薬品・医薬部外品の表示がないもの(雑品) | 販売に許可は不要。ただし効能の書き方に注意 |
ドラッグストアせどりの注意点は?ドラッグストア仕入れで扱えるもの
ここまで読むと「じゃあドラッグストアせどりは無理じゃん」と思うかもしれません。でも、扱えるものもちゃんとあります。
- 医薬部外品・指定医薬部外品・防除用医薬部外品(育毛剤、薬用の洗顔料や化粧水、ビタミン剤の一部など)
- 国内正規品の化粧品(未開封のもの)
- 健康食品・サプリメント(食品として売られていて、医薬品成分を含まないもの)
- 日用品・ベビー用品・食品など
見分けるときは、パッケージの「医薬品」「医薬部外品」の表示を必ず見てください。医薬部外品は医薬品ではないので、販売に許可はいりません。
ただし、売っていいものでも、売り場ごとのルールは別にあります。Amazonではカテゴリーによって出品の申請が必要なこともあります。
説明文で効果を言いすぎない
化粧品やサプリを売るときに「シミが消える」「1週間で10キロやせる」のような書き方をすると、薬機法の広告のルールにふれるおそれがあります。効果は書かず、メーカーの公式の説明の範囲にとどめるのが安全です。
医療機器にも気をつけたい
薬とセットで覚えておきたいのが医療機器です。家庭用でも、医療機器として扱われるものがあります。
メルカリでは、販売に許可や届出が必要な一部の管理医療機器の出品を禁止しています。マッサージ器などがよく例にあがります。
コンタクトレンズのように、販売に許可が必要なものもあります。パッケージに「医療機器」「管理医療機器」「高度管理医療機器」などの表示があったら、仕入れる前に売り場のルールを調べてください。
サプリ・健康食品はメルカリで出品できる?できる物とできない物
メルカリのヘルプでは、国内製で、医薬品に当たる成分が入っていないサプリは出品できるとされています。サプリそのものが全部ダメ、というわけではありません。
ただし、サプリは商品によって薬機法の規制を受けます。メルカリの禁止出品物には「法令に抵触するサプリメント類」があり、次のような物は出品できません。
| 出品できない例(メルカリのヘルプより) | どういうこと? |
| 医薬品に当たる成分が入っている | 成分の面で法律にふれる物。見た目がサプリでも出品できない |
| 海外からの並行輸入品 | 海外で売られている物を、正規の代理店を通さずに輸入した物 |
| 薬のような効果をうたっている | パッケージや説明が、法律にふれる効き目の表現になっている物 |
| 動物用のサプリ(医薬品の成分入り・海外から輸入) | ペット用でも同じように禁止 |
禁止出品物だと事務局が判断すると、取引のキャンセルや商品の削除、利用制限などの対象になります。売れたあとに消されるのが、いちばん悲しいパターンですよね。
「食品」か「医薬品」かは、何で決まる?
東京都の案内では、医薬品に当たるかどうかは、成分(原材料)・効能効果・形・飲み方の量の4つで判断されます。4つのうち1つでも医薬品的なら、承認のない医薬品として扱われてしまいます。
とくに成分が医薬品にあたる物は、ほかの要素に関係なく原則として医薬品と判断されます。「サプリと書いてあるから大丈夫」とは言い切れません。
出品する前に確かめたいこと
メルカリの食品のルールでは、開封済みの食品や、期限切れ・届いてから1週間以内に期限が切れる食品は出品できません。
食品を出すときは、消費(賞味)期限と食品表示が分かる写真を載せることも求められています。サプリも同じ扱いになるかは、出品の前にヘルプで確かめておきましょう。
- パッケージに「医薬品」などの表示がない(私の目安)
- 国内製で、海外からの並行輸入品ではない
- 未開封で、期限に余裕がある(食品のルールがサプリにも当てはまるかは、出品前にヘルプで確認)
- 期限と成分の表示が分かる写真を撮った
- 説明文に「やせる」「病気が治る」など効き目を書いていない
並行輸入品がどういう物かは、こちらで書いています。


よくある質問
薬の転売について、よく聞かれることもまとめておきますね。
- 1回だけ、1箱だけなら売ってもいいですか?
-
法律が禁じているのは「業として」の販売です。1回だけなら必ずアウトとは言い切れませんが、フリマアプリの多くは医薬品の出品そのものを禁止しています。売らないのが正解です。
- 医薬部外品は売っても大丈夫ですか?
-
医薬部外品は医薬品ではないので、販売に許可はいりません。ただし、出品先ごとのルールや、効果の書き方には注意してください。
- サプリメントは売れますか?
-
食品として売られている国内のサプリは、販売に許可はいりません。ただし、医薬品の成分を含むものや、海外から個人で輸入したものは売れません。
- 妊娠検査薬は売れますか?
-
妊娠検査薬は体外診断用医薬品なので、許可なく売るのはNGです。
まとめ
ドラッグストアは魅力的な仕入れ先ですが、医薬品だけは別世界です。ここを間違えると、利益どころか前科がつきかねません。
- 医薬品を許可なく「業として」売る・売るために置いておくのは薬機法違反
- 罰則は3年以下の拘禁刑、もしくは300万円以下の罰金(または両方)
- 処方薬・ドラッグストアの市販薬・海外の薬は、せどりで売らない
- 手作り・小分けの化粧品や、個人輸入の化粧品・サプリも売らない
- 扱えるのは医薬部外品・国内正規品の化粧品・医薬品成分のない健康食品など
せどりで気をつけたいほかの法律(古物営業法・チケット不正転売禁止法など)は、こちらにまとめています。














