副業くんせどりを始めるなら、Amazonの大口出品とツールはそろえたほうがいいですよね?毎月1万円ちょっとなら、すぐ取り返せそうだし。
その「すぐ取り返せそう」が、ちょっと危ないです。
私がせどりを始めたのは2014年。会社員のちょっとしたお小遣い稼ぎのつもりでした。そこから数えきれないほど失敗してきました。
全部話すと1日では語りきれないほどです。今でこそ笑い話ですが、当時はホントにキツかった…。
でも、失敗談も誰かの役に立つかもしれない。そう思って「せどりでやっちゃいけないシリーズ」として書いています。今回は「資金がないなら、固定費をかけるな」です。
使えるお金が10万〜20万円なら、毎月かかる固定費(約1万5,800円)はかけないほうがいいです。
Amazonせどりの固定費を取り返すだけで、10万円分くらいの仕入れを1か月で売り切る必要があります。資金が少ないと、ほとんど手元に残りません。
資金が少ないうちは、メルカリなど月額0円で売れるところから始めるのがおすすめです。
この記事の料金・手数料は、2026年10月7日にAmazon出品サービス・各フリマアプリ・ツールの公式サイトで確認しています。Keepaはユーロ払いなので、円の金額は為替で変わります。
固定費とは?売上に関係なく毎月出ていくお金
まずは言葉の確認から。固定費って、家計で考えると分かりやすいです。
固定費とは、売上が増えても減っても、毎月ほぼ同じだけかかるお金のことです。
- 家賃
- 水道光熱費
- スマホ代
- インターネット回線の料金
毎月ほぼ同じ金額が引き落とされるもの、ですね。せどりにも、同じような固定費があります。
- Amazonなどのネットショップ・モールの月額料金
- せどりのツール(リサーチ・価格の改定など)
- 会計ソフト
- オンラインサロンの参加費
- 税理士との契約
固定費は、メンタルをゴリゴリ削ってくる
これは経験しないと分からないのですが…。固定費を払っているのに稼げないと、気持ちが死ぬほど落ちこみます。


せどりは、先にお金を出して商品を仕入れるところがスタートです。つまり、始めた時点では必ずお金がマイナスになります。
仕入れでマイナス、さらに固定費でマイナス。このダブルパンチで「副業でここまでメンタルをやられるとは…」とヘコんだのを、よく覚えています。
使った以上のお金が戻ってくるなら問題ありません。でも、せどりには落とし穴がけっこうあります。
Amazonせどりの固定費は、月に約1万5,800円
例えば、Amazonせどりでよく使う組み合わせだと、固定費はこうなります。
| 固定費 | 月額 |
|---|---|
| Amazonの大口出品 | 5,390円(税込) |
| プライスター(出品・価格改定ツール) | 5,280円(税込) |
| Keepa(リサーチツールの有料版) | 29ユーロ(約5,130円) |
| 合計 | 約1万5,800円 |
売れても売れなくても、毎月1万5,000円以上が出ていくってことです。年間にすると、約19万円になります。
約1万5,800円を取り返すには、いくら仕入れる?
では、この固定費を取り返すには、どれくらい仕入れて売ればいいのか。実際に計算してみますね。
結果から言うと、約10万円分の商品を仕入れて、1か月で全部売り切って、やっと固定費と同じくらいです。
せどりでよく扱うおもちゃ(販売手数料10.4%)で、3,500円で仕入れた商品を5,000円で売る例です。手数料はジャンルとサイズで変わるので、目安として見てください。
| 販売価格 | 5,000円 |
| 仕入れ値 | −3,500円 |
| 販売手数料(10.4%) | −520円 |
| FBA配送代行手数料(60cm以下・2kg以下) | −430円 |
| 1個あたりの利益 | 約550円(利益率 約11%) |
1個550円の利益だと、固定費の約1万5,800円を取り返すには29個売る必要があります。仕入れ額にすると、3,500円 × 29個で約10万円です。
- 3,500円の商品を29個(約10万円分)仕入れる
- 1か月以内に、全部予定どおりの値段で売り切る
- これでようやく、固定費と同じくらいの利益が出る
しかも、これは「元を取っただけ」です。ここから先が、やっと自分の利益です。



29個を1か月で全部売り切るって、始めたばかりだとけっこう大変です。しかも、やっと「トントン」です(笑)
仮に「月10万円の利益がほしい!」なら、同じ計算で約74万円分の仕入れが必要になります。中古の軽自動車が買えちゃう金額です。
Amazonの手数料のしくみは、こちらでくわしくまとめています。


問題は、使えるお金が少なすぎること
「月10万円は稼ぎたい。でも、自由に使えるお金はそんなにない…」。実は、ここが一番のポイントです。
要するに、使えるお金が少ないのに、固定費をかけるとバランスが悪すぎるってことです。
ブログやLINEで相談に来る人、これから副業でせどりを始める人は、使えるお金が10万〜20万円という人がほとんどです。


仮に20万円分仕入れて、超ラッキーで1か月で全部売り切っても、利益率11%なら増えるのは3万円くらい。そこから固定費を払うと、手元には1万5,000円ほどしか残りません。


しかもこれは、全部が1か月で売れた場合の話。不良在庫が出たり、赤字で損切りしたりで、実際はもっとキビシイです。
- 出品用アカウントの審査に時間がかかる
- リサーチがうまくできず、利益の出る商品が見つからない
- カート(ショッピングカート)が取れない
- 出品者が増えて、売れ行きが落ちる
- 思ったより値下がりして、利益がトントンか赤字になる
こうした読めないことが重なって、固定費以上を稼げるまで3〜4か月以上かかることも珍しくありません。
売れると思って仕入れた約10万円分の商品が、半分しか売れない。さらに固定費もかかって、手元のお金がどんどん減っていく。
まさに、昔の私がこの状態でした。今思い出しても吐き気がしそうなくらい、ツラかったです…。
「稼ぎたい!」で始めたのに、稼げないうえに固定費でお金がマイナス。これ、ホントにキツいです。
半年後、1年後に稼げるようになればいい。頭では分かっていても、目の前のお金が減っていくと、気持ちはどんどん落ちこみます。
「貧すれば鈍する」という言葉どおり、お金の不安があると頭の働きまで鈍くなります。
- いつもはしない、単純なミスをくり返す
- 仕入れの判断をまちがえて、よく分からない商品を仕入れる
- 本業の仕事で、大きな失敗をしてしまう


ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、お金が減るときの心への影響は、本当に大きいです。
まとまった資金がある人は別です。でも少しでもお金に不安があるなら、固定費のかからない方法で始めるのが鉄則です。
解決策:固定費のかからないところで売る
じゃあどうすればいいのか。答えはシンプルです。
月額0円で、売れたときだけ手数料がかかるところで売る。これだけです。
| 売り先 | 販売手数料 |
|---|---|
| メルカリ | 10% |
| ラクマ | 4.5〜10%(前の月の実績で決まる) |
| Yahoo!フリマ | 5% |
| Yahoo!オークション | 10% |
どれも出店料などの固定費はかかりません。売れた分から、販売手数料が引かれるしくみです。
Amazonのように発送をまかせるFBAはないので、自分で発送する必要があります。「なんか、めんどうくさそう…」と思う人も多いですよね。
でも、やってみると意外とカンタンです。私はメルカリをメインで使っています。
- 宛名を書かなくていい
- ゆうゆうメルカリ便は、ポストに入れるだけで送れるサイズもある
- らくらくメルカリ便は、コンビニに持っていくだけ


いざやってみると、思っていたよりメチャクチャ楽ちんです。



発送の手間はかかりますが、そのぶん毎月の固定費はゼロ。資金が少ないうちは、この安心感が大きいです。
メルカリだけで生計を立てるのはさすがにキビシイです。でも月に5万〜10万円を目指すなら、Amazonよりメルカリのほうが圧倒的にカンタンです。
事業としてくり返し売るなら、メルカリShopsも確認を
メルカリの規約は2025年10月22日に改定され、事業者(個人事業主もふくむ)はメルカリShopsを使うことになっています。メルカリShopsも月額0円で、販売手数料は10%です。
メルカリの手数料は、こちらでまとめています。


それでもAmazonで始めたい人へ:固定費を小さくする工夫
「やっぱりAmazonでやりたい」という人もいますよね。その気持ちも分かります。
その場合は、固定費は「売れる見込みが立ってから」1つずつ増やすのがおすすめです。
- 売れる数が少ないうちは、小口出品(売れたら1点100円・税抜)から
- Keepaは無料版で慣れてから、リサーチの量が増えたら有料版に
- 出品・価格改定のツールは、出品数が増えてから
- サロンや教材は、自分に何が足りないか分かってから
ただ正直に言うと、新品のAmazonせどりを少ない資金で小さく始めるのは、しくみ的にかなり難しいです。ある程度の資金を用意してから始めるのが現実的です。
どれくらいの資金が必要かは、こちらでくわしく書いています。


よくある質問:せどりの固定費
固定費について、よく聞かれることをまとめておきますね。
- せどりの固定費は、月いくらくらいが目安ですか?
-
Amazonせどりで大口出品・出品ツール・Keepa有料版をそろえると、月に約1万5,800円です。資金が10万〜20万円なら、まずは0円に近づけるのがおすすめです。
- Keepaは有料版じゃないとダメですか?
-
無料版でも、価格の動きのグラフは見られます。ランキングや出品者数などは有料版なので、本格的にリサーチするなら有料版がほしくなります。まずは無料版で慣れてからでもOKです。
- 固定費は経費になりますか?
-
せどりのために使った月額料金やツール代は、経費にできます。ただ、経費になっても出ていくお金であることに変わりはないので、増やしすぎには注意です。
- メルカリなら本当に固定費0円ですか?
-
月額料金はかかりません。売れたときの販売手数料と送料、売上金を振り込むときの手数料だけです。
まとめ
なんだか、せどりに後ろ向きな記事になっちゃった気がします(笑) でも、せどりがダメと言いたいワケではありません。
- Amazonせどりの固定費は、大口・ツール・Keepaで月約1万5,800円
- 固定費を取り返すだけで、約10万円分を1か月で売り切る必要がある
- 使えるお金が10万〜20万円なら、固定費はかけないほうがいい
- 資金が少ないうちは、メルカリなど月額0円の売り先から
- 固定費は、売れる見込みが立ってから1つずつ増やす
しくみ化してやれば、せどりほど手堅く稼げる副業はなかなかありません。副業の入り口として、せどりが向いているのはまちがいないです。
大事なのは、自分の立場をきちんと知ること。使えるお金、使える時間、物販の知識はどれくらいあるのか。それに合ったやり方を選ぶことです。
「SNSで有名な〇〇さんが言ってたから大丈夫」という根拠のない目安に振り回されるのは、時間とお金のムダです。
「稼ぎたい!」という気持ちが前に出すぎると、冷静な判断ができなくなります。だからこそ、このルールだけは守ってくださいね。
資金がないなら、固定費はかけない。
せどりの全体像から知りたい人は、こちらから読んでみてください。














